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横沢哲彦句集 五郎助(ごろすけ)

序 小川軽舟
当世ののぞきからくり
さながらに、
そこにはさまざまな場面が
息づいている。
俗っぽいのになつかしい。
それぞれの場面に
横沢さんの人情と義憤が
沁みとおっているからだろう。
俗世の泥に
足をとられながら
一所懸命生きる者を
横沢さんは愛するのだ。

集中十句
而して父がわかりぬ蓬餅
烏の子見事に黒くなりにけり
牡丹鍋仕留めし銃が床の間に
転げ来しものどんと火に蹴り返す
へうたんも長女の恋も触れずおく
涅槃図へ泣かんばかりに近寄りぬ
青梅のやうやく嬰のふぐりほど
五郎助や寝つかれぬ夜は寝てやらぬ
梅雨鯰利口な奴が増えてゐる
紫陽花や母に宛てたる文の嵩
(小川軽舟 選)

著者略歴
横沢哲彦(よこざわ・てつひこ)
一九四二年 東京生れ
一九九八年 俳句結社「鷹」入会
二〇一二年 第三十回「鷹」新葉賞受賞
現在「鷹」同人、俳人協会会員
型番 838-8
販売価格 2,750円(税込)
SOLD OUT

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島田牙城

邑書林代表の島田牙城です。

編集者となって43年が経ち、邑書林を始めて32年が過ぎました。64歳になります。

2021年9月22日から、(兵庫県尼崎市武庫之荘)に移転しました。

黎明期の東京目黒、成長期の信州佐久をへて、関西の地で邑書林が今大きく羽搏こうとしています。

僕の大好きな日本語、言葉の魅力をこれからも発信し続けます。

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