上田信治句集 リボン

なぜか上五「うつくしさ」はその意図とは裏腹な感じで「上から下へ秋の雨」にそっぽを向き加減につながっている印象である。いずれにせよ変な構造の句ではある。(中田剛 栞・絵にもかけない より)

そうして、走りながら、句を作っている。句集『リボン』を読んだ人間はそうしないわけにはいかないではないか。「リボン」とは靴紐を蝶々に結び、今、走りながら句をつくりなさいということだ……(柳本々々 栞・今、走っている より)

世界という途方もない枠組みの中で永遠に誰か(何か)によって繰り返される日常を、哀しみも苦しみもあるに違いない滑稽な世界を、切実さから少し離れたところから書く。  (依光陽子 栞・変わらないものを変えてゆく何か より)

あとがき
この句集は、六つの章に分かれています。
ざっくりと書き方の違いで、分けました。
さいきん、俳句は「待ち合わせ」だと思っていて。
言葉があって対象があって、待ち合わせ場所は、その先だ。
つまり、俳句は、どう見ても、とても短いので。
せっかくなので、すこし遠くで会いたい。
いつもの店で、と言っておいて、じつはぜんぜん違う店で。
あとは、ただ感じよくだけしていたい。

装丁  山口信博+千鶴緑也

上田信治 うえだ・しんじ
1961年11月20日生まれ。
それまでただ読んでいた俳句を、2004年ごろから作り始める。
2007年から「週刊俳句」の運営スタッフ。
共編著に『超新撰21』『俳コレ』『虚子に学ぶ俳句365日』ほか。
「里」人。
型番 781-7
販売価格 1,980円(税込)
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島田牙城

邑書林代表の島田牙城です。

編集者となって43年が経ち、邑書林を始めて32年が過ぎました。64歳になります。

2021年9月22日から、(兵庫県尼崎市武庫之荘)に移転しました。

黎明期の東京目黒、成長期の信州佐久をへて、関西の地で邑書林が今大きく羽搏こうとしています。

僕の大好きな日本語、言葉の魅力をこれからも発信し続けます。

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