加藤又三郎句集『森』

徒労である
しかし
奇跡は徒労の先にこそ
もたらされる
汗を拭い
深い森に錨を下ろす
目を瞑ると
森を揺るがす風の音が
たちまち
海原の波の音に変わる
自分の存在を介して
世界と言葉が出会う奇跡の
 一つ一つを
つぶさに見届けようとする
小川軽舟〈序より〉


俳句集 その先へ!

自撰十句

八月の森に
錨を下ろしけり

長旅のまえの夕餉や秋の風

廃駅は日と綿虫のただなかに
寒雀火の粉のごとく散りてなし
雨おとに空缶のある枯野かな
春惜しむ元ボクサーとその妻と
風鈴や草挟まれし勝手口
蟬鳴いてしずかな場所となりにけり
星空の中心へ鹿鳴きにけり
六道のどの道踏むや虫の闇

加藤又三郎 (かとう またさぶろう)

一九七七年生
千葉県松戸市在住
「鷹」同人、俳人協会会員
販売価格 2,001円(税込)
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島田牙城

邑書林代表の島田牙城です。

編集者となって43年が経ち、邑書林を始めて32年が過ぎました。64歳になります。

2021年9月22日から、(兵庫県尼崎市武庫之荘)に移転しました。

黎明期の東京目黒、成長期の信州佐久をへて、関西の地で邑書林が今大きく羽搏こうとしています。

僕の大好きな日本語、言葉の魅力をこれからも発信し続けます。

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